『PANZER FRONT / アレコレ』第19回目は、『bis』で追加された『ネヴァ』。
「戦車がネヴァを渡ったという話は聞いたことがありません」と、ロシア語で声を入れてくれた、サンクトペテルブルク出身のイーゴリさんに言われたのを思い出します。子供の頃から大祖国戦争での地元の話は、いろいろと聞いているのかもしれません。
かなり見切り発車的に用意されていたイベント面なので、作って行った先でどうにかしようとしていたのでしょうか、戦車を使用しない、強制イベントで乗り切ることも考えていたのかもしれません。氷がどのくらいの厚みなら、何トンの車輌が通れるのか調べたことはありませんが、戦車を渡らせることにしました。T34は、遠慮したような場所までは前進しています。この面をスタートして『?!』となるのは、NKL-26でしょう。これは別のイベント面に出す予定でしたが、あまりにも面白いので、ここに登場させました。ゲーム的に役に立っているのかは調べたこともなく不明ですが、弾除けになっている可能性はあります。
上はドイツ軍陣地の配置図です。歩兵(ここでは水兵か)と戦車が対岸に登らなければならないために、何箇所か傾斜を作っています。難しいのは機関銃と対戦車砲の射線で、崖のエッジに引っかからないように微調整をしてもらっていたような記憶があります。ここに限らず火点のチェックはなかなか時間のかかることですが、それでも角度によっては地面に引っかかってしまいます。
この面は作業の最後期なので、戦闘設計図はかなり整理されて描くようになっています。中央縦に走る線はスイッチか、それとも何かの範囲指定なのか、覚えていないものです。そしてこの図には、戦車に整理番号がふられていません。必要がないわけではないので、どうしたのか。これが最終稿ではなかったのか? NKL-26のルートもありませんが、そちらは別紙に用意したのでしょう。上の図と見比べると、すこし南に位置を変えていますが、それはタイガー戦車を出すための変更でしょう。もちろん第502重戦車大隊です。
ネットにあったネヴァ渡河の絵画なのか、ロシアのどこかの記念館の物を見ると、ネヴァを戦車が渡っているように見えますが、それはT34です。簡易的な橋のような物の上なので、どこかの時点で架けたのでしょうか。橋脚のような物はなく、氷の上に木材を敷いただけのように見えますが、よくわかりません。どのように補強をしたのか、していないのか、氷は割れないのか。これらレニングラード周辺の戦いは、ストーリーを付けるということがなければ、ゲームに入れることはなかったでしょう。そして調べ始めると、なかなか興味が出てきてしまったということでした。
『ネヴァ』は欠番になるところでした。先にストーリーモードの無い状態(PANZER FRONT)で出し、1年後に完全版(PANZER FRONT bis)として完成させるとの決定に、タクティクスとして復活することになったわけです。
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